妊活という言葉が使われ始めたのは、2012年頃と言われています。様々な説がありますが、婚活や朝活といった、●活という言葉が増えてきた時期に同じように聞かれるようになった言葉です。
今ではごく当たり前に使われる妊活ですが、具体的にどんなことなのか、ご存知でしょうか。もともと妊活という言葉があったわけではないので、その意味もとらえ方も人によって様々ですが、「妊娠するため、妊娠しやすくなるための活動」が主ではないでしょうか。
女性の社会進出に伴い、妊娠・出産の年齢は年々上がっています。20代と30代では妊娠のしやすさに医学的にも違いがある通り、妊娠しにくい女性が増えているのも、妊活という言葉が浸透した理由の一つかもしれません。
もちろん、年齢が上がって妊娠しにくくなる理由は女性ばかりではありません。男性側も、加齢によって精子の運動率や数などに変化が出てくることがわかっています。
では、妊活、妊娠する為にどんなことが必要なのでしょうか。
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基本中の基本 基礎体温
女性ならば、ご自分の月経周期はなんとなく把握されている方がほとんどでしょう。しっかり毎月記録を取っている方も多いかもしれません。
では、基礎体温はどうでしょうか?基礎体温とは、朝起きてからすぐに測ります。安静な状態で測らないとぶれるので、起きてすぐ寝たまま測ります。
36.0~37.0程度の方が多いはずです。
基礎体温は二つの期間に分かれます。
低温期 月経から排卵までの低体温期
高温期 排卵後から次回の月経の前までの高体温期
このように明確に二つの期間に分かれるのは理想的な形です。二つに分かれているということは、低温期と高温期の切り替わりのタイミングできちんと排卵が行われているはずですし、排卵時期を予想しやすくなり、より妊娠の可能性を高めることができます。
きちんと測っていると、低温期の中でも特に体温の下がる日が来ます。これは排卵が起こるサインです。
では、二つに分かれない場合はどうでしょう。
例えば「無排卵月経」と呼ばれる排卵が起こらずに月経が来る場合、高温期にならないまま、次回の月経が来たりします。
高温期になったとしても、期間が重要で通常では14日程度高温期が続きますが、10日よりも短い期間だった場合は黄体機能不全と呼ばれる状態かもしれません。
また、長すぎる場合、月経の予定日を過ぎても高温期が続く場合には妊娠している可能性があります。
いくら検査しても妊娠の陽性反応が出ない場合、黄体依存症かもしれません。
女性ホルモンが過剰に分泌されているので、婦人科を受診してみましょう。
健康の為にもなる!妊娠力UPの為にやりたいこと4つ
ここからは、女性だけでなく男性にもおすすめ!男女ともに健康になることは妊活の第一歩です。女性だけが頑張っても意味がないので、パートナーと一緒に頑張れるようにしたいところです。
体を温める
現代女性の多くは冷えています。男性に比べると元々筋肉が少ない女性は、血行不良を起こしやすく冷えやすいのですが、「冷えは万病のもと」とも言われるように、冷えている体では妊娠しにくくなってしまいます。
冷えているのは実は表面だけでなく、「子宮」も冷えているかもしれません。そうすると、子宮の機能が下がります。
エアコンにあたったり、冷たい飲み物を飲んだり、手足や首元を冷やしたり、はできる限り避けましょうね。
男性の方は、高温のお風呂には注意が必要。いくら血行が良くなるとはいえ、精子は熱に弱いので、程よい温度で入るようにしましょう。
ストレスを溜めない
現代人はストレスが溜まっています!ストレスは溜め込み過ぎたら百害あって一利なし。適度に発散が必要です。
ストレスは、気分的なものだけでなく肉体的にも影響を与えます。ストレスを受けると、体はそれに対抗し、緩和しようと動きます。そうすることで活性酸素が作られてしまうのです。活性酸素は老化の原因。少しでも若々しくいる為にも、ストレスは定期的に発散しましょう。
適度に運動をする
体を温める為にも、ストレスを発散するためにも、もちろん健康の為にも運動をしましょう。体を動かすことは体の内側の動きも良くします。筋肉が動かされることで血行も良くなりますし、カロリーを消費することで消化器官もしっかり働きます。
また、肥満は不妊の原因の一つになってしまうこともあります。現在体重や体脂肪が気になる方は、健康的な体を目指しましょう。
食生活を見直す
好き嫌いやお酒、ジャンクフードばかりの食生活は、健康はもちろん妊娠するためにも良くありません。もちろん美容にもです。
栄養バランスの取れた食事は、バランスの取れた体を作ります。もちろん、好きなものを全部諦めるのはストレスが溜まります。偏りをなくすようにしましょう。
妊娠しやすい体に!食べたいもの、摂りたい栄養
食生活を見直すのが大事、とは言え何を食べたらいいの?食べちゃいけないものはあるの?と思いますよね。
そこで、摂りたい栄養と食べたいものをご紹介します。
葉酸
妊活している女性も、これから妊活しようかなという女性も、20代以上の女性の方なら一度は葉酸という言葉を見たことがあるかもしれません。
現代では葉酸は非常に重要な栄養素として、なんと厚生労働省が摂取を進めている成分なんです。
赤ちゃんの細胞分裂に大きな役割を果たす葉酸は、不足すると「神経管閉鎖障害」になりやすいと言われています。
葉酸は妊娠中だけでなく、妊娠する前から、まさに妊活中から取り入れたい成分の一つなんです。
乳酸菌
なぜ乳酸菌?と思われるかもしれません。乳酸菌は腸内環境を整えますが、この働きが重要です。母体の腸内環境は赤ちゃんにも影響します。そして、妊娠すると便秘になる女性が多いので、普段便秘の方はさらにひどいことになる場合も。痔になる妊婦さんが多いのも便秘が増え、血行が悪くなるから。早い段階で腸内環境を整えておきたいところです。
ショウガ
血行を良くするために、取り入れる方も多いショウガ。生やチューブタイプ、粉末など食生活に取り入れやすいのも魅力です。
体を温め、血行を良くするので、普段から意識して取りたいですね。
トマト
近年トマトの健康効果が研究され、そのパワーが明かされてきました。トマトの赤色の元であるリコピンは抗酸化作用が強く、サビと戦ってくれます。そのため、活性酸素が気になる現代の方には男女問わず取り入れて頂きたい野菜です。
しかも、リコピンには男性不妊の原因となる「精子の運動率」を改善する力があることがわかっています。
食べてはいけないもの
では、食べてはいけない、注意しなければならないものはなんでしょう。
・アルコール
・カフェイン
・ナチュラルチーズ(輸入品は特に)
・生肉
・生野菜(しっかり洗うことが必要)
・トランス脂肪酸の含まれたもの
・特定の魚(量に注意が必要)
などです。
アルコールとカフェインがダメなのはなんとなくわかりますが、チーズがダメなの?と思われた方、海外のナチュラルチーズは加熱殺菌が徹底されていない場合があり、「リステリア菌」という細菌がいることがあるんです。リステリア菌は妊娠中はもとより、普段でも妊娠しづらくなるなんていうことも言われていますので、どうしても食べたい場合は、国産のプロセスチーズを選ぶようにしましょう。
生野菜、生肉は、「トキソプラズマ」に感染する恐れが、魚は食物連鎖の関係から「水銀」の摂取量が過剰になってしまうことがあります。
お肉はしっかり加熱したものを、野菜はしっかりと洗うか加熱を、魚に関しては大型魚に特に注意が必要です。厚生労働省に基準表もありますので参考にしましょう。
トランス脂肪酸は排卵に悪影響を及ぼすとの報告があります。真偽のほどはこれからの研究次第でしょうが、健康にとっても悪影響しかないのがトランス脂肪酸です。
インスタント食品やマーガリン、ジャンクフードに多く含まれていて、悪玉コレステロールを増やしたり、活性酸素を増やします。
まとめ
基本的なことですが、まず必要なのは自分の状態をよく知ることです。
「ブライダルチェック」と呼ばれる婦人科検査があります。子宮や卵巣に関してや性感染症など自覚症状が乏しいことをしっかりとチェックしてくれます。女性はもちろん男性のものもありますので、結婚前だけでなく、多くの方が受けるようになると良いですね。
診察を受けると意外に自分の体のことをわかっていなかった、と驚かされるかもしれません。